2019.4.7

・吸収マルコフ過程による交通量配分を読み終える。

 

佐佐木綱:吸収マルコフ過程による交通量配分理論, 土木学会論文集, No. 121, pp. 28-32, 1965.

 

発表もあるので精読した。昨日を除いて5hくらい要した。

 

ネットワーク全体をマルコフ連鎖と捉えることで、与ODから最短経路への配分と比較して、あらゆる可能な経路を考慮に入れていることになる。

逆に、そのために、ループに過剰な交通量を課してしまう。なので、全体を一つのマルコフ連鎖と捉えるのは、混雑により最短経路以外も十分に使われる(各遷移確率p_ijが小さくなる)場合にしか使えない。

そうでない場合は、各OD組に対しての遷移確率を考えて、各OD組の配分交通量を出し、全てのOD組について足し合わせることで最終的な配分交通量を出す。

 

マルコフ連鎖に落とせれば、吸収マルコフ連鎖の基本行列がもつ良い性質、通過回数の期待値を示す性質により、配分交通量が計算される。

 

・どこが観測により得られる量で、どこの量が計算により出される量なのかが不明瞭。週明けに先輩に聞く。

 

交差点の遷移確率行列全体(遷移状態も含めた全状態に対する遷移確率行列Pの)が、観測から出せるのか、それとも各OD組の最終的な遷移確率p_0しか出せないのか?